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漁村 UJI ターン
島根県
知夫村
知夫村 知夫村
漁村 UJI ターン
●知夫村の位置は?
 知夫村は、島根半島北東に浮かぶ隠岐諸島最南端の知夫里島にある1島1村の村である。本土からは、島根県美保関町の七類港または鳥取県境港市の境港から、1日1往復のフェリーで約2時間の時間距離にある。
 知夫村の人口・世帯数は、718人、370世帯(H12国勢調査)で一貫して減少している。昭和60年から平成12年までに14歳未満が54%減、15〜64歳が32%減であるのに対し、65歳以上人口は9%(24人)の増加で、老年人口比は平成12年時点で42%に達しており、高齢化の進行が著しい。                                  
 産業別就業人口(平成12年国調)は、第3次産業が65.0%を占めるが、自立的産業といえるのは漁業(17.3%)と農業( 5.0%)のみと言ってよい。農業は食肉牛を中心とした兼業農家が多く、米・野菜等は自家消費程度の生産である。漁業は刺網、一本釣り、採貝藻を主体とする沿岸漁業が営まれており、年間150〜200トンの生産を続けているが、漁獲金額は減少傾向にある。近年は、いわがき養殖が軌道に乗りつつある。観光は、釣り客を主に約1万人/年の入込客があり民宿10軒とホテル1軒が営業している。

●これまでの取組みは?
 漁業と農業以外には主たる産業を持たない同村では、昭和30年代から就業機会を求めて人口の流出が始まり、過疎化と高齢化に歯止めがかからない状況となった。このような状況の下、村の存続と活性化を図るために、定住の促進が急務となり、当初はUターン者を対象に奨励一時金の支給が検討された。しかし、(1)定住促進のためには継続的な支援を行うべきであることに加え、(2)村の基幹産業である漁業や牧畜業の振興や後継者育成につながるものであるべきことから、対象をUターンに限定せず、村外の居住者を対象に漁船か和牛を貸し付けるという全国にも例のないIターン奨励策を実施することとなった。

●都市漁村交流事業の内容は?
 村外からの定住を促進する「活性化推進に関する条例」が平成4年に制定された。具体的な施策は、1.限度額を500万円として漁船または和牛の貸し付け、2.対象者は50歳未満の村外在住の定住希望者で家族がいる人(家屋の同意が前提)、3.貸借契約の締結までに住民当登録を行うこと、4.貸付期間は10年、ただし10年経過後は返済義務なし、である。村ではこのほか、住宅の斡旋(公営住宅または民間の空家)を行い、更にトイレを簡易水洗化、台所のシステムキッチン化に、風呂のボイラー化等の住宅改修を村費で行った。この制度により、全国から87件の応募があり、平成4年〜5年に合計8家族が入村し、現在は5家族が定住している。
 漁業技術の習得については、特に指導・研修制度は設けず、本人の要請に応じて地元漁業者が必要な技術指導を行い、本人の意欲・自主性を重視した。また、知夫村に住民登録を行い、漁協へ拠出金を納めた時点で准組合員の資格が与えられている。日常生活についても特に支援する制度・組織はないが、小中学校や診療所があり、教育・医療面での問題はなく、インターネット通販の利用等により消費生活にも大きな不便はないようである。地域社会との関わりは、適応できなかった人も見られたが、多くは日々のふれあいや地域活動・祭りなどの行事に参加することで時間をかけて溶け込んでいった。
 なお、平成6からは同制度は中断した。平成13年度からは、「いきいき漁村づくり事業(県単事業)」の担い手育成事業の適用を受けて、2名がUターンして漁業を行っている他、ふるさと島根定住財団の「UIターンのための島根の産業体験事業」により、1名(家族)が1年間の漁業長期研修中であり、平成15年には更に1名の長期研修を受入予定である。知夫村ではこれらの期間限定で助成金を支給する事業に、助成金の上乗せ(5万円/月)を行うほか、Iターン者には住宅を斡旋するなどの支援を行っている。