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実施
地区名
実施主体等
イルカと泳ぎ自然を考える、
御蔵島のエコ・ツーリズム
東京都
御蔵島村
御蔵島
役場・漁協・漁業者・島民
イルカと泳ぎ自然を考える、御蔵島のエコ・ツーリズム
●御蔵島村の位置は?
 御蔵島村は、東京の南方約200キロに位置する、太平洋の離島である。東京からの交通は、竹芝桟橋より八丈島行きの船(所要時間は約7時間半)または、飛行機で大島か八丈島まで行き、そこからヘリを利用する方法がある。
 御蔵島は東西5キロ、南北5.5キロ、周囲16キロのほぼ円形の島で、周囲は高さ100〜480メートルの断崖となっている。島の中央にある851メートルの御山を始め、高峰が連なる急峻な地形を呈している。また、水量豊富な河川に恵まれ、水力発電に利用されるとともに、『御蔵の源水』(飲料水)を商品化し、主に島内で流通している。
 人口は約290人、世帯数は140程である(2003年)。人口は増加傾向にあり、高齢化率は15.7%(2004)と、全国に比べ低い値となっている。漁業経営体は31経営体(第10次センサス)で、主な漁種は刺網・釣り・採貝藻である。産業構成で最も大きいのは第3次産業で、全体の半数以上を占めているが、これは主に民宿等の観光関係で占められている。

●これまでの取組みは?
 神奈川県のプロダイバーのS氏は、環境を考える活動の一環として、イルカと泳ぐツアーを企画、1990年半ばより野生のイルカが沿岸に棲息する御蔵島において、漁協組合長の協力を得てツアーを実施する。このツアーは口コミで広がり来島者が急増、2002年には6000人を超えた。現在はイルカの海に客を案内するイルカ船は7隻ある(漁業と兼業)。島では、宿の予約がないと上陸できない決まりになっており、1軒しかなかった民宿では対応できずに、国交省事業を導入しホテルを建設したが、宿泊の需要は高まる一方で、新たに6軒の民宿が営業を開始するとともに、村営のバンガローも設置された。また、イルカや島の自然に魅せられ定住するUIターンの若者も出てきており、定住人口も増加傾向にある。
 さらに、大学や村の協力体制の下、イルカの生態調査等学術的研究の取り組みも熱心に行われ、世界中のイルカ学者の注目を集めている。島内外の民間有志によって設立されたイルカ協会は、現在は学識者や水産関係の学生等のイルカの調査研究の場となり、沿岸に棲息する100頭ほどのイルカについて10年間蓄積された様々なデータは、学術的価値の高い貴重な資料となっている。
 村では、観光振興と自然保護の両立のために東京都版エコツーリズムの導入について都と協定を締結、2004年4月からは都認定のガイドの同行や、陸域海域の立ち入り制限等を実施する。

●都市漁村交流事業の内容は?
 イルカツアーへは、参加希望者がインターネットや電話を使って、役場や民宿に直接問い合わせてくるケースが多い。島内で特に組織だった体制は作られていないが、役場でも、宿やイルカ船の紹介については充分な対応を行っている。
 参加者は島に上陸すると予約している宿の出迎えを受け、それぞれの宿へ向かう。宿とイルカ船はほとんどが同一経営者なので、宿でイルカツアーの説明を受ける。ツアーは午前中1回、午後1回開催される。午前中は9時から、午後は1時からで、船で島を一周し、イルカがいるところでシュノーケルをする。所要時間は2時間から2時間半である。1隻に乗れる人数は6〜10人で、料金は一人6500円となっている。客が多い夏場は早朝や夕方にもツアーを行うことがある。装備はマスク、シュノーケル、フィンの3点セットで、季節によってはウエットスーツを着用する。これらの道具は、宿で借りることもできる。
 日によってイルカがいる場所に偏りがあるが、7隻のイルカ船は、お互いなるべくかたまらないよう譲り合っている。また、睡眠中や授乳中のイルカはなるべく離れたところから観察するよう参加者を誘導する等、イルカへの影響を極力小さくする配慮もなされている。