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都道府県名
市町村名
実施
地区名
実施主体等
みんなが楽しめる
バリヤフリーの海釣り施設
三重県
鳥羽市
千賀地区
鳥羽磯部漁協千賀支所
みんなが楽しめるバリヤフリーの海釣り施設
●鳥羽市の位置は?
 鳥羽市は三重県沿岸のほぼ中央東端の志摩半島に位置する。南に続くリアス式海岸の起点で、伊勢志摩国立公園の一角をなしており、近鉄特急利用の場合、名古屋から約1時間半、大阪難波から約2時間の時間距離である。千賀地区は、鳥羽市中心部から車で20〜30分の時間距離にある市南端の波静かな的矢湾および的矢港を根拠とする純漁村を形成している。
 鳥羽市の平成12年の人口は24,945人であり、漸減傾向が続いている。千賀地区は32世帯、110人の小規模な集落であり、近年高齢化の進行が著しいものの世帯数、人口はほぼ横ばいで推移している。
 鳥羽市は、伊勢志摩観光拠点として観光業と漁業が基幹産業を形成している。千賀地区は、的矢湾を漁場とした一本釣り、刺網、アオノリ養殖等の零細な沿岸漁業と農業との兼業経営を主とする地区であり、所有する漁船による釣り筏事業の瀬渡しを兼業する場合が多い。近年の経済不況の影響で、都市部に流出していた地元出身者がUターンして漁業に就く例が増えている。

●これまでの取組みは?
 的矢湾を漁場とした小規模な沿岸漁業による所得には限界があり、新規漁業就業者も殆どない状況が続き、新たな兼業所得機会の創出が求められていた。一方、鳥羽市は伊勢志摩観光拠点を形成しており、昭和50年には千賀地区の背後地に鳥羽カントリークラブがオープンし、鳥羽市街地から千賀地区を経て阿児町に至る観光道路(パールロード)が開通するなど周辺の観光ポテンシャルが向上した。このような状況下、水協法の改正による組合の自営事業の可能性が拡大したことを契機に、当時の千賀漁協(現鳥羽磯部漁協千賀支所)では、平成4年より釣り筏事業を組合自営事業として着手することとなった。その後、平成9年度に水産庁の補助を受け、陸上から徒歩で渡れる釣堀施設の整備を図ると共に沖合の釣り筏施設のパトロール船を建造した。また、身障者の利用を契機に桟橋型の釣堀施設(海上バーベキュー施設を含む)のバリアフリー化が施された。

●都市漁村交流事業の内容は?
 釣り筏事業は、的矢湾に浮かべた手作りの釣り筏(当初は6基設置)に組合員所有の漁船で客を送り迎えするスタイルで、平成4年に漁協自営事業として始まった。初年度利用者は 3,600人程であったが、チヌ、マダイ、アジ、サバを始めとして比較的よく釣れることからリピーターを中心に利用者が増加した。以後、国や県の補助を受けて釣り筏を増やし、ほぼ年間1万人の利用者が定常的に確保されるようになった。そして、利用者から家族も楽しめる施設の要望が多くあり、平成9年に水産庁の補助事業を受けて、陸上アクセス可能な桟橋型釣り堀施設が整備され、駐車場、漁協事務所と待合・休憩所、22基の釣り筏、釣り堀と海上バーベキュー施設からなる「千賀フィッシングパーク」が完成した。基本的に施設利用が中心であるが、集客のための釣り大会等のイベントも適宜実施されている。当施設で特筆すべき点は、車椅子利用者の来訪をきっかけにしてバリアフリー型の施設改善に取り組んだ点で、その後バリアフリーの海釣り施設として評判を呼び、鳥羽市内の身障者互助会を始めとした三重県内の身障者施設の利用が相次いでいる。
 雇用は、地元の組合員および漁家婦人など10名を雇用している。釣り筏へ利用者を送迎する船頭(船は各自の漁船)が6名で、普段は地元でナマコ漁や青ノリ養殖を営む漁業者である。賃金は日当制で12,000円/人・日が支払われている。一方、桟橋式の釣堀施設では利用客がある場合に漁家の婦人がパートで4名雇用される。賃金は時給制で 820円/人・日である。
 集客は、漁協ホームページ等の情報発信と、周辺の旅館・民宿等からの紹介、各種旅行会社等の企画旅行の受入等に依っているが、基本的にはリピーター等の固定客が多い。身障者についても、これまで制限されていた屋外での釣り体験が喜ばれ、主に県内市内の身障者施設関係のリピーターが多い。