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市町村名
実施
地区名
実施主体等
歴史を克服し新たな地域づくりへ
熊本県
水俣市
水俣市全域
NPO水俣教育プランニング
(財)水俣病センター『相思社』
歴史を克服し新たな地域づくりへ
●水俣市の位置は?
 水俣市は、九州西側の中央部、熊本県の南端の鹿児島県境に位置し、温暖な気候に恵まれた地域である。西で不知火海に面し、沖合に天草諸島をのぞむリアス式の美しい海岸線が続く。福岡と鹿児島を結ぶ九州西部の幹線道路である国道3号と、鹿児島、宮崎と結ぶ国道268号が水俣市内を通り、JR鹿児島本線(九州新幹線の一部開通ルートになっている)および3セク肥薩おれんじ鉄道が通じている。国道3号で車を利用した場合、県都熊本市から約2時間(福岡方面から3時間)、JR鹿児島本線(特急・新幹線)利用の場合、熊本市から約40分、鹿児島市から約30分の時間でアクセス可能である。
 平成12年の市人口、世帯数は31,147人、11,574世帯で、過去20年間で人口、世帯数ともに漸減傾向を示している。同年の高齢人口比は26.2%で、県平均の21.3%(県郡部平均24.6%)を上回っている。
 水俣市の平成12年の産業別就業人口比(国勢調査)を概観すると、1次産業が5.6%、うち漁業就業者比が0.6%であり、漁業依存度は小さい。一方、第2次産業就業者比率は33%、第3次産業が61.2%となっている。

●これまでの取組みは?
 言うまでもなく、水俣市での一連の環境政策とエコツーリズムへの着手は、筆舌に尽くし難い水俣病の経験に端を発している。昭和31年をの水俣病公式確認から長い年月を経て、被害者救済問題については平成7年の政府の解決策により一応の決着を見ているものの、水俣市民の傷が完全に癒えることはない。平成10年以前から、水俣市では、このような歴史の教訓を活かしたエコツーリズムが積極的に展開していた訳であるが、熊本県でも、水俣病を克服して新たな地域づくりに取り組んでいる水俣市を広くPRする必要を感じていたことから、平成12年に芦北地域を対象にしたエコツーリズム紹介冊子『みなまた・あしきた百聞より一見』というコンセプトブックを作成・配布した。更に、翌13年には、水俣市で取り組まれているエコツーリズムの更なる拡充を図るため、人材育成と広報に関する議論が行われ、14年には、旅行企画会社による実質的な環境学習やエコツーリズムの積極的な展開に関する議論と現場の人材育成に関する実践事業が、16年までの3年間行われた。また、平成14年度には、前述の『みなまた・あしきた百聞より一見』を主に修学旅行を対象として補強・リニューアルした冊子『水俣・芦北の自然体験』が旅行企画会社の参加のもとに作成され、全国に向けて配布されている。そして、15年には、実質的な集客対策として、全国版の旅行情報誌に水俣のエコツーリズムのPR記事が4回連続で掲載された。平成16年2月には、全国グリーンツーリズムネットワーク大会が水俣市で開催されている。

●都市漁村交流事業の内容は?
 修学旅行の受入れや個々の取組みの牽引とネットワークづくり等、水俣のエコツーリズムの推進と受入れは、NPO法人水俣教育プランニングと(財)水俣病センター『相思社』が大きな役割を果たしている。水俣に来てもらい、水俣を知ってもらうというコンセプトで、エコツーリズムメニューをつくっている。現在の主な業務は、エコツーリズムや環境学習を目的とする修学旅行や視察・研修団(自治会や婦人会等)の受入れである。基本的には、上記両組織が、個々のエコツーリズムを実践する主体をネットワークして、参加希望者にメニューを提供するスタイルをとっている。また、平成5年に開館した県環境センターは、環境に関する展示と映像提供、環境学習のための教室を備えていると同時に、熊本県及び九州各県の小学校の環境体験学習の受け皿になっている。
 主なメニューは、(1)水俣病を学ぶ、(2)環境を考える、(3)環境調査、(4)自然とのふれあい、(5)食品等ものづくり、(6)農林業体験等があり、域外から水俣を訪れた人は、従来の“水俣病”の暗いイメージを払拭し、プラスイメージを抱く、つまり、水俣市の“水俣病イメージ”からの脱却と、環境共存型の地域づくりイメージを広く全国に周知することに成功している。また、市全体の入込観光客数が年々減少傾向にあるのに対して、エコツーリズムに関する修学旅行客数は増加の一途をたどっている点が大きい。